chatGPTでSEOは変わるのか

直近世間(というか界隈?)を大きく賑わせているchatGPT。
Microsoft bingの検索に搭載されることが発表されるとともに、Googleも対抗してAIに投資を行うことを宣言するなど、俄かにSEO担当からの注目度もアップしている事象です。

この記事ではchatGPTのようなAIが検索エンジンに搭載されるようになることでSEOの世界はどのように変わっていくのかを「検索ユーザー」「検索エンジン」「SEO担当」の視点から考えたいと思います。


chatGPTで検索ユーザーの行動が変わるか

chatGPTの性能は一ユーザーとして目を見張るものがありますが、果たしてchat形式の検索はユーザーに浸透するのでしょうか。

個人的には、短期的には特に変化なく、中長期的には特定の検索種別においては影響があるかもしれないが直近大勢には影響がないのではないかなと思います。

そう考える理由としては以下があります。

(短期)多くの人はchatGPTを知らない

テック界隈で働き、周囲を情報感度の高い人に囲まれていると気づきづらいのですが、世の中の大半の人はchatGPTについて詳しいことを知らないと考えられます。ましてや検索エンジンに搭載されてchat形式で検索できるようになることなどを知ってる人は極少数でしょう。

もちろん検索エンジンに搭載された機能が徐々に大衆に広まっていくことは間違いないでしょうが、いきなり人々の検索行動を変えるかでいうとそこまでのインパクトはないのではないのかなと思います。

(中長期)AI×chat形式の検索には得意不得意がある

今回の熱狂は音声検索が持て囃されたときのそれと似ているなと個人的には考えています。
6年前くらいと思うのですが、AmazonはAlexaをGoogleはGoogle homeを、そしてAppleはSiriの開発を推進し、テック界隈は(SEO界隈は特に)次に来るのは音声検索!みたいな空気感でした。

音声検索に対応するためには?とか、もうSEOの時代は終わった、みたいな記事が海外メディアで大量に投稿されていたのを覚えています。

しかし今の状況を見ていると、天気やタイマーなど一部のクエリを除いて音声検索が人口に膾炙したとは言えないと思います。AmazonにおいてもAlexaへの投資を縮小させる方向で人員を整理していることが発表されました。

前置きが長くなりましたが、chat形式の検索も「ブレストをしたい」「文章の校正をしたい」といった特定の得意とされる検索内容で定着する可能性はあるものの、人々の検索行動を根本から変えてしまうということは考えづらいのかなと思っています。

もちろん、ことの本質はchatという形式ではなくchatで正しい情報を返せるAIの中身の方にあるので、検索エンジンがchat形式であることを超えてAIの活用を進めれば話は変わってくるため、引き続き注視は必要だと思っています。


chatGPTで検索エンジンは変わるか

こちらは変わることは避けられないと思います。
GPTによる技術革新は不可逆的なものを感じますし、何らかの形で検索エンジンのアルゴリズム・UIに反映されていくことは間違いないでしょう。

しかしどのように変わっていくか、を考えるとbingとGoogleでは違った動きとなるかもしれません。
今見えている範囲だとGPTを活用したchat形式の検索UIは広告の差し込み余地が少ないように見えます。現状の検索エンジンの広告は数ある検索結果から特定のサイトを選ぶ過程において広告を選択肢の一つに入れるという仕立てのため、chatGPTのように特定の答えを返すようなサイト間比較の介在余地のない検索UIとは相性が悪そうです。Googleの親会社Alphabetは売り上げに占める検索広告経由売り上げの割合がかなり大きいため、いきなり検索UIを大きく変えるという判断は取りづらそうです。

一方でbingはMicrosoftの本業が検索エンジンではないため、大胆な動きを取ることが可能そうです。
bingはこれまで検索エンジン市場ではGoogleに遠く及ばない状態であり、この機を千載一遇のチャンスと捉えてchatGPTに全振りした動きを取ってくるかもしれません。


SEO担当の仕事は変わるか

SEO担当の仕事は変わるのか、ですが、まず短期的に細かい部分では変わる可能性があります。

bingに対するSEOを意識する必要がある(かも)

もしAIの登場で今後検索エンジンのシェアが変わっていき、bingが無視できないシェアを獲得していくようなことになれば、SEO担当も当然bingを意識することが求められるでしょう。

具体的には、bing経由の流入をモニタリングする必要があります。そのためにもbing web master tool・clarityの導入やindexNowの活用といったbing独自の基盤整備には着手しておいたほうがいいでしょう。

恥ずかしながら僕はbingの諸ツールについて殆ど注意を払ってこなかったため、今回を機にきちんと勉強しなおそうと思っています。

AIフレンドリーなサイトを構築する必要がある(かも)

chatGPTに触れてる方であればイメージがつくかもしれませんが、AIのサジェスチョンに対して自分たちのサイトが使用されるためには、当然ながら自サイトについてAIがきちんと理解できるような構造になっていることが求められそうです。

今時点ではまだ明確なスキームが構築されてはいなそうですが、構造化マークアップなどサイトの情報を外部に対して構造的に伝える手法が今以上に重要になってくる可能性はあります。

個人的にはAIを騙すハックのような手段を追い求めるのではなく、自サイトのバリューを正当に評価してもらえるような取り組みを追求していくような姿勢で臨んでいきたいなと思っています。


中長期的にはSEO担当の仕事は変わらないのではないか

中長期的な目線で考えると、SEO担当の仕事の本質は変わらないのではないかなと思います。
まして、SEO担当の仕事がなくなってしまうことはないかなと思います(もしかしたら”SEO”という名称の仕事はなくなってしまうかもしれませんが)。

Pubcon Austinのkey noteにてBrett氏が述べていましたが、
AIがあなたにとって代わるのではなく、AIを使う者があなたにとって代わるのである
という言葉がその通りだなと思いました。

SEO担当の本質はユーザーの検索に対してどのようにコンテンツを届けるのかを考えること、だと思っています。AIが検索行動に浸透していった未来においても人々が検索行動自体をしなくなることはないと考えているので、我々SEO担当はきちんと人々の検索行動に向き合いながら技術を活用していくべきだよね、と思っています。

※ちなみにこの記事のアイキャッチ画像はstable diffusionで生成しました笑

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